天井に固定する吊り戸棚を製作しました。扉の丁番にはフラッシュ丁番を使用しました。
フラッシュ丁番を使った吊り戸棚の製作
扉が3枚の吊り戸棚を製作しました。私の仕事環境ではほとんどの場合、扉の取り付けにはスライド丁番を使用します。
今回の吊り戸棚は内部にスライド丁番の出っ張りがあると具合が悪いということで、フラッシュ丁番を使うことになりました。
フラッシュ丁番
フラッシュ丁番はサイズの異なる外側と内側の羽根で構成された丁番です。
一般的な平丁番は同じ大きさの羽根を2枚重ねた状態で軸を中心に開閉します。閉じた状態では羽根2枚分の厚みがあるので、取付枠と扉との隙間が大きくなってしまいます。隙間を小さくするためには扉の丁番が当たる部分を切り欠き加工して調整する必要があります。
フラッシュ丁番は閉じた状態では羽根1枚分の厚みに収まり、取付枠と扉との隙間を少なくすることができるので扉の切り欠きなしで取り付けることができます。
芯棒を差し替えることで左右どちらの勝手にも使用できます。(芯棒が抜けないタイプもあります。)
長さ64mmの薄口タイプを使用しました。取り付ける扉や枠の厚みに応じて厚口、薄口を使い分けます。
取り付け方法
今回は家具の側板に対して扉が内側に入る「インセット」のデザインです。側板と扉がしっかりとツライチになるように取り付けたいです。
扉に取り付け
扉には小さい方の羽根を取り付けます。芯棒の出っ張り部分を乗せる(引っ掛ける)ような形で固定します。
扉の端から位置を決めるための治具を当てています。端からの位置は丁番1枚分が美しいと教わったことがあるので64mmの治具を当てています。ネジ穴のセンターにしっかりと丁番ドリルで下穴をあけてから固定します。
取り付けできました。
側板に取り付け
本体の側板には大きい方の羽根を取り付けます。
扉と同じように出っ張りを乗せた位置で固定したいのですが、向きが逆になるので同じようには取り付けできません。
そこで・・・
芯棒を差し替えて小さい方の羽根を裏返しにして、
このような状態を作ります。
この状態にすることで扉の時と同じように出っ張り部分を乗せた位置に丁番を固定することができます。
このようにペタッと小さい羽根を乗せます。
こちらも丁番ドリルでセンターに下穴をあけてから固定します。
芯棒を通して扉を本体に取り付けます。
ツライチに取り付けできました。
3枚取り付けて完成しました。吊戸棚ですので、手前が下になります。
そのままでは扉がフリーになっていますので、マグネットキャッチを取り付けました。
完成しました。扉の下端もビシッと揃ったので良かったです。
まとめ
フラッシュ丁番を使った吊り戸棚の製作を紹介しました。
今回の様に扉が複数枚並ぶ家具では、扉の取り付け位置が揃わないとガタガタの見た目になってしまいます。
取り付け後に位置の調整ができないフラッシュ丁番や平丁番を使う場合には、しっかりと治具を使って位置を決め、丁番がズレないようにネジ穴のセンターに確実に固定する事が大事です。家具本体と扉の直角の精度が出ている事も必須条件です。
おわり。