RTX3060tiのLHR版を買ったのでNiceHash Minerで試してみました。
”LHR版”って実際どうなの?
マイニング性能が50%ほどに制限されているとされる「LHR(Lite Hash Rate)版」グラボ。実際の所はどうなのかを検証するためにヤフオクで中古品を購入しました。
本当のことを言うと、うっかり間違えてポチってしまいました。人間欲張るとダメですね。
RTX3060ti Nicehash Miner&AfterBurner
買ったのはPalitのRTX 3060ti DualのLHR版です。3060tiはLHR版でなければハッシュレート60MH/s程度で、マイニング効率を示す「efficiency」が450KH/J超えの優秀なグラボです。
いつも通りNicehash Minerを起動してみます。
まだAfterBurnerでは値をいじってない状態です。ハッシュレートが27MH/sしか出ていません。
AfterBurnerで通常版の最適値に近いところまで値を変えてみます。
Power Limit 65%、Core clock -502 、Memory clock +1000です。非LHR版ならMemory clockをこの辺まで上げてやると60Mh/s程度のハッシュレートになりますが・・・
31Mh/sにとどまっています。やはり50%程度の制限がかかっているようです。
思い切ってPower Limitを下限値の50%まで絞ってやることで・・・
efficiencyを320kH/Jまで上げることができましたが、ハッシュレートはそのままです。消費電力70Wで同程度のハッシュレートを出せる「GTX 1660super」に比べると、かなり効率が悪いです。
残念ながら今までのやり方ではこれ以上ハッシュレートを上げることができませんでした。
「NBMiner」のLHRロック解除を試してみる
NiceHash Minerで使用できるプラグインの「NBMiner」でLHRのロック解除がサポートされているという事なので試してみました。この機能を使えばLHR版のハッシュレート制限50%のところを68%程度まで解除できるそうです。
↓こちらの記事を参考にしました。
プラグインの確認
NiceHash Minerでは「プラグイン」と「アルゴリズム」を使用してマイニングをしています。私が通常使用しているのは標準装備されている「Excavator」というプラグインでイーサリアムを掘るための「DaggerHashimoto」というアルゴリズムを動かしています。
今回はプラグインを「NBMiner」に変更してLHRのアンロック機能を使用してみます。
NiceHash Minerの「Plugins」のタブを開くといくつかのプラグインが表示されます。すでにインストールされているものには「INSTALLED」と表示されます。
「NBMiner」が「INSTALLED」になっているので使用可能です。インストールされていない場合はオレンジのボタンを押してインストールすることができます。
「NBMiner」稼働中のウインドウはこんな感じです。いつもの「Excavator」と少し表示が異なります。
LHRロック解除する
NiceHash Minerの「Benchmark」のタブでロック解除したいGPUを選択します。
「RTX3060ti」を選択すると、使用できるアルゴリズムとプラグインの組み合わせがリストアップされます。今回は6種類の組み合わせがリストアップされました。
リストの中から「DaggerHashimoto」と「NBMiner」の組み合わせを探します。歯車マークをクリックし「Custom Algorithm Settings」を開きます。
「Extra Launch Parameters」のテキストボックスに「-LHR68」と打ち込みウインドウを閉じます。「68%で稼働させますよ」的な内容だと思います。
その後マイニングを開始しましたが、設定した「NBMiner」ではなく「Excavator」が起動してしまったので、
「Benchmark」タブで、先ほど設定した「DaggerHashimoto」と「NBMiner」以外の組み合わせを使用できないようにしておきました。
マイニング中。「using LHR mode 2~」と表示されました。「LHRのモードを最適化していますよ」というような表示だと思います。
ハッシュレートが40Mh/sになりました。消費電力は95W~125Wくらいをフラフラします。良い時はefficiency400kH/Jを超えますが、安定しません。
Afterburnerでパワーを絞ってもあまり変化しません。自動的に最適な状態を探して制御してくれているようです。Nice Hash Quick Minerに近い感じなのかもしれません。
時々「LHR Lock detected~」と表示が出てハッシュレートがガクッと落ちます。しばらくするとまた「using LHR mode 2~」が表示されてハッシュレートが回復します。
グラボ内のLHRプログラムを騙してハッシュレートを増やしているけど、時々バレて制限が回復してしまうといった感じでしょうか。
まとめ
今回はRTX3060tiのLHR版でマイニングを試してみました。通常のやり方では50%の性能しか発揮できないのでマイニングで利益を出すのは難しいと思います。
「NBMiner」の68%解除モードでは40Mh/s程度まで出ますが、安定感が無いのが気になりました。長期間使用した場合に、平均するとあまり効率が良くないのではないかと思います。
もっと効率よく掘れる他の仮想通貨があるのかもしれませんが、イーサを掘るためだけにわざわざLHR版を買うのは現状では非効率的に思えます。
おわり。
マイニングおすすめアイテム
玄人志向 80Plus GOLD 1000W KRPW-GR1000W/90+
価格が安く、PCIeの8pin補助電源ケーブルが6本出ているので貧乏マイナーにはありがたい存在です。
電源連動ケーブル
2台の電源を同時に起動させるケーブルです。
PCIE3.0 ライザーケーブル
PCIe×16のスロットをそのまま延長できるケーブルです。ライザーカードのように電源の心配をしなくてよいので便利です。
Ver.009Sライザーカード
PCIe×1のスロットに接続できるのでグラボを複数使用するためには必須です。カード一枚につき電源が75W必要になります。
SATA×2→6ピン電源ケーブル
ライザーカード付属のSATA×1→6ピン変換ケーブルでは容量が不足して発熱・発火することがあるそうです。2本のSATA電源から給電することで容量不足を解消します。
フレーム
電源スイッチ
マザボむき出しで使用する際のスイッチです。上のフレームを買ったらおまけで付属してきましたが、無い場合は別途購入する必要があります。
簡易電力計